9月26日(水)『新潮45』の休刊と私の文章修行
『新潮45』が休刊になった。休刊は、ほとんどの場合廃刊を意味する。この雑誌が再び世の中に現れることはないだろう。
私にとって、この雑誌は思い出深い。最初は、1991年12月号に「新興宗教御利益番付表」という記事を執筆した。まだ、日本女子大で教えていた時代で、それから何度も、一時は毎月のように執筆していた。
依頼は編集者から来たが、その奥には、斎藤十一という高齢で有名な編集者がいたらしい。その斎藤氏からお題がふってきて、それに従って記事を書くのだ。お題はあるがそれだけで、内容はすべてこちらまかせ。一体何を書けばいいのか、編集者とずいぶん悩んだ時もあったし、うまく書けないと書き直したこともあった。
これは、私にとって「文章修行」で、漠としたものをいかに形にしていったらいいのか、それを学んだ気がする。文章道場に入門したようなものだったかもしれない。
その後、斎藤氏も亡くなり、編集者も変わって、あまり書く機会がなくなった。おそらく最後は、2016年10月号だったと思う。宗教の特集で、私は「信者大激減時代の先にあるもの」という文章を寄稿している。
『新潮45』での文章修行を通して、文章を書く作業というのはとても難しいものだということも学んだ。そして、修行が必要だということも認識したかもしれない。一つの文章が大きな波紋を呼ぶこともある。ストレートに批判しても、なかなか理解してもらえないし、そこには技が必要だ。問題が起こるのは、その技が欠けているときかもしれない。
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