11月18日(日)今月の歌舞伎座は実は勘三郎追善興行なのではなかろうか
歌舞伎座顔見世興行昼の部に行ってきた。一番のお目当ては、右近が栄寿太夫として清元デビューすることか。彼が本名で初舞台を踏んだのは、2000年4月。私が歌舞伎を本格的に見始めた時期で、それを見ている。「松虫」という演目だった。今回は、「十六夜清心」でデビューということになった。
延寿太夫の隣で清元を歌ったが、かなりの部分、栄寿太夫が担当したので、ワンマンショーのようでもあった。まず、声がいい。語りがうまい。技術的にはまだまだでも、この土台があると清元で大成することは間違いないだろう。役者との二刀流がどうなるのか。興味は尽きない。
今月の歌舞伎座、まったくそうとは言っていないが18世中村勘三郎追悼興行のように見える。「松虫」だって、右近は勘三郎と一緒に出たはずだ。今月は出ている役者が、勘三郎に近いのが多く、最初の「お江戸みやげ」でも、劇中で中村座が立派な劇場として扱われている。その主役が時蔵だ。夜の猿之助の「法界坊」も、平成中村座での最初の演目だけに、どうしても勘三郎のことを思い出す。
私は行かなかったが、平成中村座の公演では、勘三郎自身が舞台に現れたらしい。
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