5月10日(金)10年前の吉右衛門の弁慶は今と比べるとまだまだ
東京女子大でやっている「宗教学」の授業では、通過儀礼を軸に講義をしている。
通過儀礼の物語としては、まさに関を通過する「勧進帳」がうってつけ。教科書にしている『教養としての宗教学』でも取り上げているが、昨日は学生に、「勧進帳」を見せた。不思議なことに、哲学専攻のオフィスには、歌舞伎のDVDが多数あるのだが、そのなかから、10年前の吉右衛門の「勧進帳」を選んでみた。
今は、定評のある吉右衛門の弁慶だが、見てみると、10年前はあまりよくない。口跡がよくないということか、もごもごしている。以前見た時のことを思い出した。あの頃の吉右衛門は、言っていることがわからない。とくに遠くから見ていると、何を言っているかわからないということがあった。
山伏問答などでは、今の片りんを感じさせるが、読み上げも問題があった。述懐、延年の舞いは飛ばしてみたので、評価はできないが、どうなのだろう。
吉右衛門ですら、本当の真価を発揮するようになるのは、ごく最近のことなのかもしれない。
« 5月7日(火)10連休が終わった | Main | 5月11日(土)LP12は調整のためしばらく不在 »
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 7月5日(土)歌舞伎座7月大歌舞伎の初日に舞台には予言された大波が来た(2025.07.05)
- 6月16日(月)音羽屋襲名は2か月目で夜の部(2025.06.16)
- 6月7日(土)歌舞伎座は音羽屋ダブル襲名の2か月目(2025.06.07)
- 5月9日(金)音羽屋襲名は昼の部で新菊之助の道成寺天才ぶりを発揮する(2025.05.09)
- 5月7日(水)音羽屋襲名の歌舞伎座昼の部を見る(2025.05.07)
Comments