7月29日(日)宮沢賢治と創価学会
昨日は富士レコード主催のSPレコードコンサートに行った。黒崎政男氏が、宮沢賢治が聴いたレコードというものをかけるという趣旨。賢治が何を聴いていたかが分かるというのは興味深い。中心は「セロ弾きのゴーシュ」。
賢治は、国柱会の会員で、日蓮主義に傾倒していた。国柱会を開いた田中智学はモダンな人物で、そういう面があるいは賢治にも影響を与えたのかもしれない。国柱会の幹部からのアドバイスで、賢治は「法華文学」をテーマとしたが、それが音楽世界とどう関係するのか興味深いところだと思う。
選挙が終わったせいで、創価学会・公明党のことがいろいろ言われている。今回は投票率が低かったこともあり、公明党は100万票も減らした。もっとも共産党はもっと減らしているし、自民党も同様。その点で、これをもって公明党が退潮しているかはまだ判断できないが、そこには創価学会の変容が関わっているだろう。
創価学会は日蓮を信奉しているものの、日蓮の政治性には実はさほど関心を持っていない。日蓮のことばでも、それは信仰を強く持つことの重要性を説いたところだけがクローズアップされている。日蓮がめざしたのは、法華経の教えに背く、法然や空海、そして密教を取り入れた天台の僧侶たちを糾弾することだった。創価学会では、そうした面には関心が注がれていない。
それは、公明党の存在意義ともかかわる。なぜ公明党を支持するために選挙活動に邁進しなければならないのか。創価学会の会員にはそこがよくわからなくなっているのではないだろうか。まだ、創価学会が退潮しているというデータはない。そのなかで、公明党の得票数が減っている。
戸田城聖時代の創価学会では、田中智学が唱えた国立戒壇の建立をめざし、そのための政界進出と理由付けをしていた。ところが、これは顕正会が批判するところでもあるが、途中で国立戒壇を引っ込めてしまった。そうなると、大衆福祉だけが目標になるが、それも今になると限界に達している。果たしてこれから公明党と創価学会はどうなっていくのだろうか。
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