8月5日(月)成瀬巳喜男の『浮雲』を初めて見た
昨日、家人も留守だったし、とにかく暑いので、録画してあった成瀬巳喜男の『浮雲』を見た。有名な作品だが、実ははじめて。
先日、京都に行った折、文化会館で成瀬の「妻」を少しだけ見た。終わりしか見ることができなかったが、上原謙の演じる男をさらにひどくさせたのが、『浮雲』の森雅之なのかもしれない。ひどい男なのに、別れられない女。南方の話が出てきたり、最後は、屋久島へと展開はするが、今的に言うとテンポが遅すぎる。2時間くらいだが、当時としてはかなり長編だったのではないだろうか。
制作されたのは1955年。昭和30年。日本はまだまだ貧しい、というかとんでもなく貧しい。高峰秀子が借りた部屋も、雨漏りがするだけではなく、電気がきていない。屋久島になると、当時はまったく電気が来ていなかったようで、それから60年が経った今から振り返ると、まったくの別世界。
そんななかから、今の日本が作り上げられてきたのだから、歴史の変化はあまりに大きい。たまに、この時代の映画を見ると、今の暮らしの持つ意味を考えさせてくれる。
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