10月3日(木)本居宣長って何なんだ
10月に入ってもまだ暑い。そんななか、大和魂についての本を書いていて、本居宣長について調べている。
宣長という人、ある意味、ただの町医者だった。医業を生業としつつ、古典についての研究を重ね、源氏物語や古事記の読み、解釈に多大な影響を残した。在野の思想家とも言えるが、大学制度のない時代には、学問をするということは、そういう生活をするということだったのかもしれない。
宣長は、今なら、国文学者ということになろうが、国学者としてとらえられている。国学というのは、日本にしかない学問の大系で、古典や古代史の研究でありつつ、そこに一定のイデオロギーがかかわり、特殊な雰囲気を漂わせている。その分、正体がわかったようでわからないところがある。
宣長については多くの本が書かれているが、そこには、小林秀雄の『本居宣長』の影響が大きい。もし小林が宣長を論じなかったとしたら、その後の宣長論はずいぶんと違うものになっていただろうし、それほど関心を集めなかったかもしれない。しかも、ここが重要だが、小林が何を言っているのか、それがよくわからない。最近、橋爪大三郎氏が、『小林秀雄の悲哀』を書いて、そこらあたりのことを鋭く解明してくれている。橋爪氏のような合理主義者からすれば、小林の議論は錯綜しているとしか思えないのだろう。
ある人物が歴史に名を留める上では、その人間を高く評価する人物の存在が不可欠だ。宣長は、それに恵まれた。本人は、そんなことになろうとは少しも考えずに死んだことだろう。
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