7月24日(金)安楽死事件について思うこと
安楽死をめぐる事件が起こった。たとえば、産経新聞はこのように伝えている。
警察は、安楽死ではなく、嘱託殺人ととらえ、それで逮捕に至ったというのだ。
最近出した『安楽な最期の迎え方』でも論じたが、日本で安楽死が認められていないとは言えない。というのも、裁判所は、安楽死の条件を定めているからだ。それも積極的安楽死にあたる。今回は、その条件に合致しないから逮捕したという点を見逃してはならないだろう。条件を満たしていれば、積極的安楽死を行っても、医師が逮捕されないということだ。
もちろん、日本では積極的安楽死を認める法律はない。尊厳死といわれる消極的安楽死でさえ、法制化が試みられてきたものの、実現していない。だが、実際に実行された安楽死をもとに、裁判所が判断を下している。
今回は主治医でないこと、そして、医療費ではない金銭のやり取りが行われたことが、嘱託殺人の要件を満たすとされている。
もしかしたら安楽死を繰り返していたかもしれない医師の姿は、本のなかで取り上げたスイスの医師プライシックの姿と重なる。スイスでは安楽死は合法化されていないが、利己的な目的でない自殺ほう助は認められている。
果たしてこの事件がどうなるのか。注目されるところだ。
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