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日曜日から火曜日にかけて旅行に出かけた。
まず、松竹の巡業東コースが秋田の明治からの劇場、康楽館であるということで、出かけた。それが日曜日の午後。この劇場で一度観劇したかった。古い劇場ということで、アットホームな雰囲気。始まる前に町長の挨拶があった。演目は、前の週の江戸川での公演と一緒だが、だいぶ練れてきている。一番前の桟敷で見たので、芝居が実によくわかった。
終わってから、十和田湖へ向かい、十和田湖プリンスホテルで宿泊。ディナーはフルコースでおいしかった。
翌日は、ホテル付近を散策した後、十和田神社へ。ここは磐座の信仰から始まっていることがよくわかる。占い場が閉鎖されているのが残念。
そこから奥入瀬渓流へ。道端に車を止めて、少し歩いた。そこへ来る途中、「イエスの墓」の看板を見かけたので、そちらへ。計画していなかったが、ピラミッドも見た。
宿泊は谷地温泉。古い温泉宿で、温泉が何種類もある。泊ったのは、瀬戸内寂聴氏が源氏の一部を執筆したという部屋。この部屋を予約した翌日に、『文藝春秋』から代表的日本人の原稿を依頼され、そこに瀬戸内氏のことも書いた。その雑誌が刊行される日に、この部屋に泊まったというのは本当に偶然。
火曜日は雨だったので、八甲田山の方には行かず、康楽館へ戻る。舞台裏の見学ができるからだが、芝居もやっていて、それも少し見た。意外と役者の演技がまともで、途中、藤田弓子が出てきた。彼女の率いる劇団らしい。それも1か月半の長期公演。こうした劇団が康楽館で公演を打つのは珍しいとのこと。
その後、環状列石へ。青森は縄文であり、さまざまなミステリーがある。岩手山神社というところにも行ったが、小岩井農場が近くで、最後そこへ。外のカフェでソフトクリームなどを食べる。
今日は歌舞伎座昼の部。「菊宴月白浪」。南北の作だが、猿翁が復活させたもの。本来なら猿之助が主演だが、中車が代わりをつとめた。
忠臣蔵の外伝ということで、随所にパロディーが出てくる。ただ、全体としての物語は行ったり来たり、妙なつじつま合わせがあって、流れはよくない。
ただ、最後は凧に乗っての宙乗り。しかも両宙乗りで、いつものように左に入り、右から降りてくる。これで、観客は満足している。中車、ところどころ、セリフの調子が猿翁を思わせる。先週はどうかと思った、歌之助が結構立派に準主役を務めている。壱太郎も安定していていい。
緞帳は3か月続けて新調され太が、今回は千波作。
ただ、隣のご婦人方には、この方たちよく知っていて、辛らつだが、評判は悪かった。たしかに、全体が牡丹ばかりで空間がないのが、いかがなものか。来月も新調のお披露目がありそう。
今日は歌舞伎座の夜の部へ行った。
先月、昼夜通しで見て疲れたので、別々に行くことにした。
「神霊矢口渡」から。これは、児太郎がよかった。男女蔵も、父を亡くして吹っ切れた感じがする。
とくによかったのは、團十郎の「め組の喧嘩」。この演目は見る甲斐がある。生きのよさで、まさに江戸。
そのなかでも、私は昨日、芝大神宮について書き、この芝居についても調べたりしているので、間違いなく観客のなかで一番楽しめたのではないだろうか。半鐘の実物写真が筋書きにのっていたが、これが島流しにあったことは書いていない。地理的なことも頭に入っているし、品川の遊郭についても、最近調べたばかり。
最後の「法楽舞」ははじめて見るが、意外に楽しかった。團十郎も襲名してから明るさが増した気がする。
昨日の日曜日は、新小岩へ。江戸川総合文化センターでの歌舞伎公演に行く。巡業。
暑い中、駅近くの台湾料理の店で昼食をとった後、会場へ。こちらに来るのは久しぶり。
演目は「菊畑」と「土蜘」。両方とも松緑が主役。「土蜘」は何度もやっているので手慣れたもので、観客にはあまり歌舞伎を見ていない人が多いようで、蜘蛛の糸で大喜び。ただ、会場が会場だけに、僧侶として出てきた時の不気味さが出ないのが惜しい。
「菊畑」の方は、梅枝の実は牛若丸が目を引くが、後は全体の物足りない。小歌舞伎ではないが、中歌舞伎。大歌舞伎には距離がある。
帰り、飯田橋のカナルカフェへ。
前に行こうとして行けなかったことがあるので、妻ははじめて。湿気もなく、鯉に餌をやってくつろぐ。
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