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最近刊行された本に、山本直輝さんの『スーフィズムとは何か イスラーム神秘主義の修行道』があります。
その書評を依頼されたのですが、それが配信されました。
「修行道ではどこでも、父殺し、師殺しが求められる」というものです。
この本、私もとても勉強になりました。
スーフィズムという、私たちにはなじみのないイスラム教のあり方が、わかりやすく書かれています。
200冊目の著作になる『[増補版]神道はなぜ教えがないのか』が育鵬社から9月1日に発売になるが、その見本が届いた。
いったい何冊の著作なのかを数えるのは難しいが、私なりの基準をもうけた。発行の形式を変えたものも1冊、対談や2人で書いたものも1冊と数えた。3人以上著者があるものや監修本、海外で翻訳されたものなどははぶいた。それで200冊。
今回の本は、最初『一個人』に連載されたもので、それを新書にした。新書はかなり好評だったので、文庫化されたが、発売元の出版社の体制も変わり、長らく品切れになっていた。
そこで今回およそ25%を増量し、単行本として刊行する。連載、新書、文庫、単行本と、主な書籍の形式をすべて踏んでいるのは珍しい。その点では200冊目にふさわしいかもしれない。
さらにこれからの朝日カルチャーセンターの新宿教室での講座についてのご案内。
まずは、オンラインだけの講座で、「新宗教とカルト」。副題は「その境界にあえて分け入る」というもの。昨今注目されるカルトについて、その定義から話をはじめてみたい。宗教とカルトをどう分けるのか、そこが議論になってきたが、その問い自体に問題があるのではないだろうか。
次は、すでに最初の期がはじまっている経済学者の水野和夫氏との講義。世界の経済史を追うという大胆な試みで、こちらもオンラインの講座。毎回、それまでの流れを説明するので、途中からも十分に受講可能。すでにいろいろと興味深い話が出てきた。
最後は、哲学者黒崎政男さんとの講座。今話題のchatGPTについて。その本質を明らかにしたい。黒崎さんとはオーディオ哲学宗教談義というものをやってきたが、カント哲学の専門家で、なおかつ人工知能についても積極的に発言してきた方。時間も少し長めに2時間とした。
とにかく暑い。
昨日の午後は、朝日カルチャーセンターの新宿教室で、「世界経済史講義」の第2回目。
ローマ帝国の経済を中心に見ていったが、12,3世紀までくらいは経済成長ということがなく、その点では経済史というものが成り立たないということがよく分かった。帝国は、定常的な状態が続く中で、権力を集約することで、税金を徴収し、それでインフラを整え、経済を盛り立てていく仕組みだが、生産力の増強を図れないだけに、現状をいかに維持するかで精いっぱい。そんな時代は、今からするとなかなか思い描けない。
同じ時間、大澤真幸氏の講義もあり久しぶりに会う。いったい何年ぶりだろうか。
水野氏の単体での講義があるというので、夜はそれを聴く。サラマンカ学派の話で、これは知らなかっただけに興味深かった。スコラ哲学の経済学への影響には甚だしいものがあることが分かった。
昨日は歌舞伎座へ行った。
1部は、中村屋贔屓の娘に譲り、2部の前に昼食を一緒にしようと歌舞伎座の前で待っていた。すると、米吉丈が閉演後すぐに出来てきた。父親の舞台を見るためだろう。
2部は「新門辰五郎」と「団子売」。先月の「め組の喧嘩」も辰五郎の話。その辰五郎が京都で同じようなことをしている話だが、最初、何の話なのか分かりにくかった。次第に分かってきたが、全体に意味が分からない。終演後、プロントでお茶をしながら、渡辺保先生の評を読んで納得した。真山青果の芝居は演出がいないと成り立たないものだが、その演出に問題があるのではなかろうか。
3部は「新・水滸伝」。こちらは分かりやすいし、皆熱演で楽しめた。隼人は立派になったし、團子の演技を見ていて、澤瀉屋の芝居が凝縮されているのを感じた。最後、サービスで幸四郎が出るが、テレビや新感線の舞台でも活躍した人だけに、もっと重要な役をやったらスーパー歌舞伎も盛り上がるのではなかろうか。
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