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昨日は、まずは銀座で取材があり、三田会について話す。三田会という組織がネットワーク構造を持つところに特徴があるのを再確認。さまざまな点で、イスラム教に意外と似ている。中心には神、あるいは福沢先生がいて、あとは平等。お互いがお互いのために尽くし、自然とネットワークが広がっていく。三田会について少し認識が深まった。
そのまま歌舞伎座へ。夜の部を観る。お客さんに歌舞伎役者がいる近くの居酒屋の店主を招待し、妻と三人で鑑賞した。
「車引」は、私が歌舞伎座ではじめて観た演目でもある。播磨屋一門、やる気がすごい。松王丸の又五郎、襲名披露で梅王丸を演じ、花道を引っ込むところで足をくじいたらしく、その後後見に支えられながら出てきたのを思い出した。
「連獅子」は丑之助がわずか9歳。やはりからだが出来ていないので、本人もうまくできなくてもどかしそう。獅子になって花道を後ろ向きに引っ込むところにスピード感はないし、毛ぶりも少ない。その点で、観客席の盛り上がりにかけたが、あの視線は少し神がかっている。丑之助が親獅子をやり、菊之助が子獅子をしたらどうかと妄想した。
「一本刀土俵入り」は幸四郎がうまい。抜けている演技は抜群だし、後半は実にさっそうとしている。驚いたのは染五郎。最初誰かわからなかったが、虚無的なやくざ者を見事に演じていた。親とは役者の方向性が違うのかもしれない。
終わってから、銀座魚真へ。居酒屋の店主が前に働いていたところでもある。折あしくエアコンが故障したということで、店はちょっと暑かった。
歌舞伎座の秀山祭、昼の部へ行く。3階の一番奥の席。全体が見まわせ、雰囲気もよくわかる。
2世吉右衛門の三回忌追善でもある。「金閣寺」「土蜘」「二条城の清正」を見た。
「金閣寺」では、米吉の雪姫ががんばっていた。よかったのは勘九郎の久吉。全体でも一番か。すがすがしく、威厳がある。
「土蜘」は巡業の松緑で見たばかり。蜘蛛の糸の投げ方が、前半ちょっともたついていた。もう少し、怪しげでいい。
再開場10年で新調された緞帳も、おそらくこれが最後。現代的で斬新だが、月と桜のバランスがもう一つか。
「二条城の清正」は、秀頼が清正に「20年も30年も生きて」というところ、孫が祖父に贈ることばに重なる。
白鷗もこれから、どこまでやれるのか。ぜひ頑張ってほしい。
今日は国立劇場の歌舞伎公演に行った。
演目は「妹背山女庭訓」通り前半。国立の歌舞伎公演もあと2か月。
歌舞伎座は再開場10周年で緞帳が新調されているが、国立はかなり傷んでいる。席もきしむ。
前半は「吉野川」が中心。「吉野川」と言えば、歌舞伎座の玉三郎・吉右衛門を思い出す。
それを時蔵と松緑がやる。初日。歌舞伎のなかでももっとも難しい演目ではないかと思うが、その前に春日野と花渡しがついて、わかりやすくなった。ここは初めて見た。
両花道での定高と大判事のやり取りが一番の見せ場でもあるが、二人とも頑張ってはいる。ただ、もちろんのこと、玉三郎と吉右衛門の人間を超えた演技というわけにはいかない。最初からそれは無理だ。
入鹿は亀蔵。意外とこういう役は向いている。
終わってから、四ツ谷へ。
そらがきれいだ。久しぶりにイーグル。当然だが、寺島靖国さんの本はおいていなかった。
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