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昨日は、歌舞伎座へ行った。「菅原伝授手習鑑」の通しの後半、Aプロを見るためだ。
夜の部はABどちらもとっていたが、昼の部はとっていなかった。そこで、道明寺を幕見しようとしたが、一昨日それがとれなかった。
歌舞伎座に着いてみると、すでに開場時間を過ぎているのに長蛇の列。いつにないことだったが、それはさして気にしなかった。そこに背景が示されていた。
先週Bプロを見たが、配役があまり的確ではなかった気がしたが、Aプロは適材適所。車引から安定した出だし。白鸚の時平公は迫力があると聞いていたが、公演が重なったせいだろう、それほどではなかった。ただ、高麗屋三代が揃って、息もぴったり。
賀の祝は、歌昇と橋之助の痴話げんか、意外とよかった。桜丸は先週の菊五郎の方が、時蔵より優れていた。時蔵だと、線が細い。
一番良かったのは、先週どうかと思った寺子屋。孝太郎が涎くりを折檻しに出てきたところから、雰囲気が違った。幸四郎とその孝太郎のやりとりも、それだけで見物。松緑の松王丸がとくに渾身の演技。感動的な舞台だった。
帰ってから、仁左衛門休演のことを聞いた。いろいろ調べてみると、「筆法伝授」のときに膝から崩れ、座り込んでしまったらしい。共演者がなんとかそれを支えたが、「道明寺」までの幕間が予定より長くなったようだ。それが長蛇の列の原因だったらしい。
仁左衛門も81歳。いつも元気というわけにはいかないだろう。千穐楽がAプロの最後。果たして復帰はかなうのか。来月もあるし、南座の顔見世も出演が予定されている。
今日の寺子屋がよかったのも、仁左衛門のことがあって、全体が引き締まったせいかもしれない。舞台に賭ける思いが、共演者に影響したのではないだろうか。
今月末、30日に同文館出版から出る『日本の神々の歴史』の見本が届いた。
日本に数ある神社やその祭神について、かなり網羅的に紹介したもので、神道や神社についての入門書といった性格を持つものである。
ただ、この本は実は特別なものになった。編集者の亀谷敏朗氏からの提案で企画がはじまったもので、亀谷氏から送られた相当な数の質問にZoomで答える形で進められた。それを亀谷氏がまとめ、私が直していったのだが、その途中、亀谷氏が急逝されてしまったのだ。
同文館出版の編集者からそのことを聞き、大変に驚いた。亡くなるまでお元気だったようで、突然の死であったようだ。そうであれば、残された者として、何としてもこの本を立派なものに仕上げていかなければならない。その使命感でできた本でもある。
その点については、おわりにでも若干触れている。果たして亀谷氏に満足してもらえる本になったのかどうか。それをお聞きできないのが残念である。
9月4日に霞町音楽堂でキース・ジャレットのことについて話すために、キースを聴いてきたが、終わった後も聴いている。その中で、実は聴いていないアルバムがあるのに気付いた。それが、『パーソナル・マウンテンズ』。
1979年のヨーロピアン・カルテットで、東京での演奏ということなので、「スリーパーズ」の短縮版かと思っていたが、どうも違うようで、同じ東京での収録だが別日のようだ。中身も曲の時間が違う。
この時期のヨーロピアン・カルテットはなかなかのもの。アメリカン・カルテットの比べて、アルバムの枚数は少なく、他には、ライブの「ヌード・アント」のほか、スタジオ収録の「ビロンギング」と「マイ・ソング」があるだけ。もっと他にも録音されたものはあるだろうし、実際、北欧のテレビ局が収録した映像はある。もっと出てほしいものだ。
昨日は、午後、NHK文化センターさいたまスーパーアリーナ教室で講座をやった。テーマは、北野天満宮と太宰府天満宮。その中でも取り上げたが、今月の歌舞伎座では、「菅原伝授手習鑑」の通し。まったくの偶然。
スーパーアリーナでは東京ガールズコレクションをやっていた。さいたまガールズコレクションではないようだ。
東京駅へ出て、銀座へ。天賞堂に行き、時計のベルトを交換しようと思ったら、天賞堂自体が元の場所にはなかった。その噂は聞いていたが、探したら、裏に天賞堂カスタマーセンターというものがあったので、そこへ行ってみた。すると鉄道模型と時計を扱っていたので、ベルトを交換してもらった。交換は3回目ではないだろうか。
三越で弁当を買い、妻と落ちあって歌舞伎座へ。
演目は後半の三つ。Bプロ。
実は、最初に本格的に歌舞伎を見始めた最初が、この半通しの後半部分だった。当時の團十郎、菊五郎、幸四郎で三兄弟が演じられていた。
今回は、演目ごとに、兄弟を演じる役者がまったく違う。こういう上演の仕方は珍しいのではないだろうか。歌舞伎座では10年前に通しで上演されているが、そのときは同じ役者がやっていた。今回は、松王丸がAプロで幸四郎、歌昇、松緑、Bプロで芝翫、彦三郎、幸四郎と変わる。梅王丸が、A染五郎、橋之助、B松緑、萬太郎、桜丸が、A左近、時蔵、B錦之助、菊五郎。実にめまぐるしいが、それでもさほど違和感がないのは、やはり歌舞伎ということか。
昨日は舞台中継が入っているせいか、松緑の梅王丸がやけに張り切っていて、まるで初役のよう。芝翫の松王丸に貫禄があったが、錦之助の桜丸はさすが。
賀の祝では、歌六の声がいつになく小さかった。ちょうど白大夫と同じ、つまりは私と同年齢だが、これからどうなるやら。菊五郎が桜丸で切腹をするが、今年は忠臣蔵でたしか2度切腹していた。切腹がふさわしい役者になったのかもしれない。とにかくきれいに死んでいく。
この場面は、文楽で住大夫、蓑助で見たことがある。人形遣いが消えるという至芸で、もうこれで文楽は見なくてもいいかと思った舞台だった。その雰囲気が今回はあった。
最後はお馴染みの寺子屋。平安時代に寺子屋などない。その点は、カルチャーセンターでも冗談のネタにした。今回は寺入りから。寺入りは今年6月にも見ているが、今回は、涎くりが仕置きをされるところがあり、下男三助との滑稽なやり取りもあった。これは初めて見た。
ただ、染五郎の初役だと思われる源蔵がよくなかった。教わった通りにやっているのはよくわかるが、その分、役が染みついていない。他が、幸四郎、雀右衛門、時蔵と揃っているので、一人、一軍に二軍の選手が混じっているようで、全体のバランスがひどく悪かった。今まで見た寺子屋のなかでは、一番集中できなかったかもしれない。
来週はAプロの後半をやはりみる。どうなるだろうか。
2000年にはじめてこれを見たとき、半通しが終わってから富十郎の越後獅子があった。ところが、それを見ないで帰ってしまったのだが、それは寺子屋の子殺しにショックを受けたためと思ってきたが、今回見てみて、それは三つの演目を見て疲れたからではなかったかと思った。1階ならそうでもないのかもしれないが、3階だとやはり疲れる。
帰ってから経堂魚粋で一杯。
昨日の夜は、霞町音楽堂でイベント。私がサウンドクリエイトの竹田響子さんとキース・ジャレットについて語るというもの。今度、ケルンコンサートのレコードを出す、山田ちなみさんの演奏も2曲ほど。
昨日、どういったキースの曲をかけたかは、竹田さんがブログであげてくれている。見てわかるように、ジャズは一曲だけ。ほとんどの人は聴いたことのないものだろう。
この話が持ち上がってから、キースの聴いていないアルバムを全部聴こうとしてきた。一応、その目標を達成したと思うが、なかなかにそれは大変でもあり、楽しい作業でもあった。どういったことを話したかは、そのうちnoteにまとめようと思うが、彼が20世紀最大の音楽家ではないかと思うようにはなった。とくに、慢性疲労症候群で一時ピアノが弾けなくなるまで、1996年までということになるが、頂点にむかって突き進んでいたのではないだろうか。その最終地点が、「ラ・スカラ」だ。何より、その素晴らしさは、昨日も紹介したが、キース自身が書いたライナーノートに示されている。
この一か月半、音楽を聴くというとき、まともに聴いたのはキースばかりだ。エンターテイメントも、歌舞伎にも行っていないし、映画館で「国宝」を見ただけ。まさにキース漬けで、最近も、アット・ディアヘッド・インのコンプリート盤と「ニュー・ヴィエンナ」を買っている。
終わってしまうと、気が抜けたようなところがある。これからどうしようか、それを考える。
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